第3章 再出発

「お待たせいたしました」

にこりと笑って私の前にパフェ、三井くんの前にレモンスカッシュ、流川くんにはオレンジジュースが置かれる。

「いただきますっ」
「おぅ、ありがたく食え」

苺とアイスにとろとろのコンデンスミルクがかかってて、ううーん！美味しそう！
スプーンで掬って一口ぱくりと頬張る。

「どうだ？」
「おいしぃー」
「…理解できねー」

ぱくぱくと食べる三井くんはそれを見て胸焼けしそうとか言ってくる。ふーん、いいんだもん、美味しいんだから。すると横でオレンジジュースを飲んでいた流川くんが興味ありげにこちらを見てきた。

「ん？なに、流川くん」
「食べてみたい」
「お、おい流川、まじか」
「んー、仕方ないなぁ、一口ぐらいならいいよ」

スプーンに掬って渡すと流川くんが何故か受け取ってくれない。

「いらないの？」
「いや…いいのか？スプーン」
「あ、」

そういえばこれは間接ちゅーというやつではないだろうか、、ものすごく何も考えずにしてた。そう思うと少し恥ずかしい。いや、衛生的なことをいってるのかもだし、こちらから渡してといてダメはないでしょう！私は少し恥ずかしい気持ちを隠してずいっと渡す。

「る、流川くんが大丈夫なら、大丈夫だよっ」
「ん、いただきます」

ぱくっ

「？！！！」
「！流川てめぇ」

私の手が流川くんにぎゅっと掴まれたと思ったら流川くんにあーんしたみたいになって、流川くんがぱくりと食べた。

えええええええ

私は慌てながらあわあわしてる目の前で三井くんは青筋立てて眉間にしわを寄せながらこちらを睨みつけてる。
流川くんはもぐもぐ食べてごくん、と飲み込むと、ぼそりと一言。


「…不味い」


ちょっとぉ、自分から食べたいっていっておいて不味いって…。

「お前らもう少し羞恥心てもんを持て」

三井くんはイラつきながら言う。イライラしすぎてるのかストローを噛んでストローの口が潰れてる。

「てか私も？！私も入ってるの？！羞恥心なんていまこれほどないぐらい感じてますけども」

ほっぺたが熱くなっているのを感じながら、流川くんにこんなことしたらだめだよ！と怒ると本人は何の事？みたいな顔してる。無自覚か！！！