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あわい夏の夢

第3章 再出発


喫茶店に入ると、私の前に三井くん、私の右隣に流川くんが座った。
店員さんが来て、お水とメニューを渡してくれた。

「この苺パフェでいいのか?」
「ううん、その横にある苺らぶらぶくりぃむパフェがいい」
「…」

私は通常のメニューの苺パフェではなく、通常の苺パフェにたっぷりの生クリーム、それにコンデンスミルク、苺アイスとチョコアイスがのったパフェを指す。
それを見た三井くんは表情が固まり、流川くんは何故か無言で苺らぶら(ryパフェの写真を見つめる。

「おい、これ、、コンデンスミルクって、、」
「美味しそうでしょ?」
「雪さん…ツワモノ」

ドン引き気味の三井くん、なにやらぼそっと呟く流川くん。

「お前、こんなん好きなのかよ…てか名前!名前おかしいだろ?!」
「そう、なんかちょっと頼むとき恥ずかしくてなかなか頼めなかったんだよね…三井くんは頼んでくれるよね?約束したんだし」
「お前…嵌めたな…」
「コンデンスミルクと雪さん、、すげぇ組み合わせだ」

ふふふ、バスケ部を廃部の危機に陥れたんだからこれくらいの罰、これくらい軽いでしょ?とにやけると、お前ドSだな、と三井くんから言われてしまった。
流川くんは流川くんで良く分からないことをまた呟いてる。

「分かったよ、頼んでやろうじゃねぇか!」
「よっ日本一!あ、流川くんは?何頼む?」
「ん、オレンジジュースでいい」
「おっけー!すいませーん」

店員さんを呼ぶと、お決まりですか?と聞かれ、三井くんににやっとした視線を送る。

「えっと、レモンスカッシュと、オレンジジュース、あとこの、、ごにょごにょパフェ」
「申し訳ありません、レモンスカッシュとオレンジジュースとあと…?」
「苺らぶらぶくりぃむパフェ!で!」

真っ赤になりながら緊張からか小声で言うけど、聞こえなかったのか店員さんが聞きなおすと若干キレ気味に三井くんは返す。
私と流川くんは笑いを堪えて肩を震わせる。
店員さんは、かしこまりました少々お待ちください、と言って厨房へ。

「ふふふふ」
「…三井さんが…らぶら…ぶっ」
「お前ら…後で見てろよ…」

この店もう来れねぇと呟く三井くんはまだほっぺたを赤くしている。ちょっと可愛いとか思った私は本当にドSなのかも?



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