第3章 再出発
ーーーー放課後 体育館
県大会まで後一週間、気合い入れてかないと!
部活に行くとみんな怪我してる状態なのに、わたしのことを心配してくれた。
元気なとこみせて、安心してもらわないとね。
そして、三井くんが部活に今日から復帰。
バスケから2年も離れていたから心配していたけど、小暮くんと三井くんとの練習で、あっさりシュートしてしまった。
さすが!
と三井くんに声をかける。
三井くんはまぁな、と笑う。
でも少し心配なのは三井くんの体力だ。普通の男子高校生よりかは体力があるとは思うけど、やっぱりバスケをやるにはかなり体力が追いつかないかもしれない。
少し心配すると、顔に出ていたのか流川くんが声をかけてくれた。
「どうした?」
「あ、ううん、ちょっと考え事してただけだよ」
「体調悪かったら早く言えよ」
あ、体調心配してくれてたんだ、最近流川くんが優しい気がするけど、流川くんを庇ったから負い目でも感じてるのかな。
「ありがと、大丈夫だよ」
「無理すんなよ」
「うん!」
心配かけないようにしないとね、とあらためて気を引き締める。と、ふと気がついたけど、私に流川くん敬語じゃなくなってない?まぁ、いいけどさ、わたし、先輩らしくないし、、
「ん?」
「流川くんわたしに敬語使わなくなったなぁって思って…」
「…距離縮めるなら呼び名とかからだって聞いた」
「へ?」
「ダメなら直す」
「いや、ダメじゃないよ、今のままで大丈夫」
「ん」
私と仲良くなりたいから、敬語やめたってこと?なんか方法は突飛すぎだけど、あんま他人に興味なさそうな流川くんが仲良くなりたいといってくれてるのはかなり嬉しいから、別にいいか。
「こぉら!流川!さぼるな!」
「うっす」
話していたら赤木くんに目をつけられてしまった。
流川くんは、じゃ、と言って練習に戻る。
練習の様子を見ると、花道くんは赤木くんの教えてもらったことを一生懸命身につけてる。
三井くんも、喧嘩してたから心配してたけど、問題ないみたい。安田くんや小暮くんと練習してる。
私もがんばろう、と皆の様子をみて、私なりにみんなの弱点や癖をノートに書き出した。