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あわい夏の夢

第3章 再出発



そう、私が嘘をついたのは三井くんがこれ以上責任を負わないためだ。きっと今回のことで、より一層頑張ろうと思ってる。私が約束の為にいたといえば余計な重荷になる。それだったら言わない方が三井くんのためになる。

「雪さんはいつも自分のことは後回しだな」
「そんなことないと思うけど、、。三井くんはほら、デリケートだから。あんな見た目ごついけど、中身は繊細だからね」
「そんなに三井さんのことが大事なんか」
「へっ?」

なぜかどんどん流川くんが近寄ってくる。流川くんのただならぬ雰囲気になんとなく後ろに後ずさっていくけど壁まで追い詰められてしまった。

「るるるる流川くん?!」
「俺と三井さん、どっちが大事?」
「はい?!」

横に逃げようとしたら思いっきり顔の横に手を置かれて逃げられない状態になってしまった。
これがいわゆる壁ドンてやつですか!?

「あ、あの、流川くんファンに見られたらとんでもないことに…」
「どうでもいい」
「どうでいいって、、」
「俺と三井さんどっちが大事?」
「え、えっと」

どっちが大事と言われても、、
というかこの体制先輩にはいろいろと辛いよ!
頬が赤くなって思わず目を背ける。

「どっどっちも大切だよ」
「どっちも?」
「う、うん」

なんでこんなこと聞いてきたのかよくわからないけど素直に答える。

「まぁ、俺も最近だし、気持ち気づいたの」
「????」

さっきからなにいってんのかさっぱりだよ流川くん!

「わかった。」
「う、うん?」
「これから頑張るから。絶対あきらめねぇし。」
「は、はぁ」
「今日の喫茶店俺もついてく」
「えっ?!」

流れがさっぱり読めないよ?!
流川くんがようやく壁から手を離して開放された。私はドキドキする心臓をなんとか落ち着かせようとする。

「嫌なんか?」
「嫌じゃないけど…」
「じゃ、そういうことで」

流川くんは混乱する私をおいてさっさと屋上からでていき、私一人になってしまった。
どういうことだろう。何か起こったのかよくわからないけど、とりあえず喫茶店に一緒に行きたいらしい。それだけは分かった。
もう強行的に決められたから三井くんと私と流川くんで行くしかないのだろう。
それはそれていいけど、なんだか頭が混乱する。
とりあえず、授業が始まる前に戻らないと、と思い私も屋上を出た。
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