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あわい夏の夢

第3章 再出発



「お前優しすぎだろ」
「そう?うーん、じゃあパフェ奢ってよ」
「パフェ?」
「うん。今日の放課後空いてるなら喫茶店行ってパフェ奢ってよ。いちごのやつがいいな〜」
「食いもんかよ…まぁそれぐらいいくらでも奢るけどよ」
「やったあ〜」

三井くん、若干呆れてるみたいだけど、笑顔になってくれたからほっとした。

「まだ、バスケ部続けてたんだな」
「うん」
「それって、俺との約束のためか?」
「うーん、違うよ」
「え」

あの時の約束のために三井くんは私がまだバスマネをやっているのかと聞いてきた。本当はyesだけど、嘘をつく。

「キッカケはそうだけど、やってみたら楽しくてね。だから続けてたの。」
「そうか、お前が楽しくやってたんなら、それでいい。」
「今日から部活戻ってくるの?」
「あぁ。」
「楽しみに待ってるね」
「さんきゅ」

すこしはにかみながら三井くんは笑う。無邪気さは1年のころとかわってないみたい。

「てかさ、三井くん、前歯なくない?」
「お前今それ言うなよ!気にしてんだから!」
「ご、ごめん、ちょっと面白くて…ぷぷぷ」
「笑うな!明後日には差し歯いれんだ、かっこいい俺に惚れんなよな」
「う、うん…ぷぷぷ」
「おいっ」

三井くんはわざわざ謝るために私を呼び出したみたい。すこしぎこちないけど、私は前みたいに話せるのがとても嬉しい。
三井くんは、練習終わったら校門で待ち合わせな、というと屋上から出ていった。

「雪さん」
「へ?」

突然名前よばれたから振り返ると流川くんが立っていた。

「あれ、流川くん?!いつからいたの?!」
「最初から。寝てたら声聞こえたから。」
「う、うわぁ〜まじか、、」

なんでだろう、少し恥ずかしい

「なんで嘘ついたんだ?」
「え?なにが?」
「分かってんだろ、約束のために今までバスケ部にいたこと。前はそれだけじゃないって言ってたけど、三井さんとの約束のほうが大事だっての、雪さん見てたら俺でも分かる」
「え、うーん、まぁ楽しくてバスケ部にいたってのは本当なんだけど、ほら、約束のためにいたなんて重いし、三井くん背負っちゃうじゃない?」

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