第3章 再出発
コンコン
三井くんについて追求しようとしたらドアがノックされて、ひょこっと小暮くんが顔をだす。
「流川ー永井目覚ましたか?あ、覚めたみたいだな」
「小暮くん、っいた」
ベッドから起き上がろうとしたらお腹がずきっと痛くなった
「あ、無理すんなよ」
「う、うん」
大人しくベッドに横になる
「小暮くんは大丈夫?怪我とか…」
「三井に殴られたぐらいで、お前ほどじゃないよ」
「そう、花道くんは?それに安田くんとかも…」
「桜木はさすが喧嘩慣れしてるのか、少し休めば大丈夫だって。安田達も大丈夫だ。」
「そう。よかった…」
「永井、無茶すんなよな、凄い焦ったぞ」
「あ、ごめん」
「まぁ、無事ならいいんだけどな」
ポンポンと私の頭を撫でる。
うーん、安心する。小暮くんは私のお兄さん的存在なんだよね。
傍に立っていた流川くんが「それじゃ、俺、帰る」と言って立ち去ろうとする。
「あ、流川、ありがとな。永井、流川はお前が目が覚めるまで帰らないって言ってきかなかったんだぞ」
「えっそうなの?ご、ごめんね、流川くん…ありがとう」
「いや…」
もしかして流川くん、わたしが庇ったせいで気を使っているのかな。なんだか申し訳ない。
「雪さん」
「ん?」
ドアの前で流川くんがふりかえってこちらを見つめる。な、なんだろう穴があいちゃいそうなぐらい見られてる気がする。
「俺、諦めねぇから」
「へ?う、うん?」
じゃ、と言って流川くんは出ていってしまった。
諦めねぇから?な、何を?全国制覇?
小暮くんもどうしたんだ?という感じだけど、なんなのか分からない私はうーん、と首をかしげるしかない。
「あ!バスケ部どうなったの?!廃部になんてなってないよね?!それに三井くんは??!」
「お、落ち着け、今話すから」
重要なことを思い出してつい声を荒らげてしまった。小暮くんはベッドの横にある椅子に座って順序よく話してくれた。