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あわい夏の夢

第3章 再出発



「…んっ」

お腹が痛い。
なんだか体が思い気がする。
私、どうしたんだろう。

瞼が重くてなかなか目が開けられない。

そうか、私、流川くんの変わりに殴られたんだっけ。
こんなお腹にパンチされるなんて今までされたことなかったよ。。

「雪さん?」

まだ瞼を開けれてないけど、この声は流川くんだろうか。
なんとか瞼を開けてみると真っ白な天井、と流川くんが私をのぞき込んでいた。
流川くんは頭に包帯を巻いている。

「目、覚ましたか」
「流川くん…ここは…」
「病院。怪我が酷かったやつは病院に連れていかれた。雪さんも、腹殴られたし、ちゃんと見た方がいいだろうって。」

そうか、やっぱり病院だったんだ。
少し硬いベッドに寝かされているみたいだ。

「流川くん、大丈夫?頭殴られてたよね?」
「こんぐらい大丈夫。てか、雪さん、なんであんな危ねぇことした」
「流川くん…?」

のぞき込んでいた流川くんの顔が険しい。
え、怒ってる?

「あんなん殴られたって平気だった」
「だ、ダメだよ。」
「俺は雪さんが殴られたほうが腹立つ。」
「だ、大丈夫だよ!少し痛かっただけだし、、もう少し寝させてもらえれば治るよ。」
「そういう問題じゃない」

え、違うの?
流川くんがなぜ、と問いかける。

「うぅーん、だって、流川くんが大切だからだよ」
「大切?」
「うん、大切だから。」
「選手としてってことか?」
「それもそうだけど、流川くんがこれ以上殴られるなんて絶対嫌だったんだもん。」

流川くんは納得したのかしてないのかわからないけど、ふーん、と相槌を打つ。

「もう2度とこんなことさせねぇ」
「はは、2度もあったら困るけどね」
「雪さんは俺が守る」
「えっ、あ、ありがとう」

なんか今すごいかっこいいこと言われた気がする。
ちょっとドキッとしちゃった。
なんだか気まずくて視線を横にやる。

「あ!!そういえば三井くんは?!」
「たぶん、この病院に一緒に運ばれた」
「えっ、そんな怪我ひどいの??!」
「ボロボロ」
「えっ、え〜!」

私が意識あったときはまだそんな怪我してなかったよねぇ?!

「三井ってやつ、こないだ雪さんが言ってた男か。」
「へっ!なんで三井くんだってわかってるの?!」
「それは、、」


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