第2章 届かない
安田くんが殴られたことによって流川くんと花道くんは完璧キレてしまった。
流川くんは三井くんを睨みつける。
すると後ろから龍という男がモップで流川を殴りつけた。流川くんから大量の血が頭から流れる。
どうしたら、どうしたら止められるの?!
バスケ部が手を出したら廃部…
三井くん、お願いだから、もうやめて!!
龍は流川くんのお腹を殴り付けようとしてきた。
危ないっ!
近くにいた私が慌てて駆け寄る。
「永井さん?!」
「雪先輩!!!」
ただ、これ以上大切な仲間を傷つけて欲しくなった。そう思ったら勝手に体が動いて流川くんと龍の間に入っていた。
「うぁっ…」
龍が流川くんに殴ろうとしていたパンチがわたしのお腹にめり込む。
酷い痛みに痛すぎてなのかお腹が熱い。
視界が揺らめいて、私は倒れたのだろうか、後ろから誰かが支えてくれたのか、体重がその人によりかかる。もしかしたら後ろにいた流川くんが支えてくれているのかもしれない。
「雪さん、なんで!」
「るかわ、くん?」
意識が朦朧とするなかで流川くんの声が聞こえる。
なんだか必死な声だから、わたしはもしかしたらもう気絶しそうなのかもしれない。
目が回ってくるしい。
「だい、じょうぶ…みついく、おねがい、もうやめて…」
意識を失いかけてるなかで何とか声を出す。
それでもう限界だったのか私は意識を手放した。
あぁ、三井くん、、三井くんはずっとさみしかったのかな、だからこんなことしたのかな。
それだったらもっと早く気がつけなかった私が馬鹿だったんだよね。
ごめんね。
意識のない、暗闇でただただ後悔した。
二章end…