第2章 届かない
「ふざけんなああ!」
「やめろ!」
花道くんが怒って殴りかかろうとするのをリョータくんが止める。
流川くんも今にもまたバスケットボールでやりかえそうとしていたから私とアヤちゃんで止めに入った。
「なんで!!」
花道くんが悔しそうに言う。
うん、やり返したい気持ちはすごくわかる、わかるけど、、
「龍、あいつはお前にやるよ」
三井くんは流川くんを指さして龍という男に相手にするように言った。
龍は流川くんに挑発するように中指を立てる。
その間にもリョータくんがやめるように三井くんに言うけど今度は三井くんはリョータくんに頭突きをした。リョータくんが声にならないうめき声をあげる。
「こらぁ!この女男!」
また花道くんが殴りかかろうとしたけど、またリョータくんがとめる。
それをみた三井くんはまたニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。
「そりゃそうだよな、宮城、自分せいでバスケ部が試合出場停止、いや廃部になったら…」
廃部?!とまわりから声が上がる。
そう、だからリョータくんも花道くんたちを止めに入っている。
「お前の歯はなかなか折れないな、宮城。手がいてぇ」
三井くんは手をぶらぶらさせると仲間のひとりがモップでやれと持ってきた。
なんで、三井くん、こんなことする人じゃなかったじゃない…!
悔しいやら悲しい気持ちになって自然と涙目になってしまう。
三井くんはリョータくんにモップを振りおろした。
「!」
「たいがいにせい」
もう当たる、と思ったら瞬間に花道くんがモップを取り上げて、流川くんがリョータくんを掴んでいた男の人の腕を捻りあげる。
「なんだ、おまえら?!ばれて廃部になってもいいのか?!」
三井くんは焦ったように言うと花道くんと流川くんが「もみけす」「ごまかす」と声を合わせて言う。
三井くんは不敵な笑みをし、流川くんが煙草で汚れたバスケットボールを吹けと言うと三井くんはバスケットボールに唾をかけた。
それをみた花道くんはまた殴りかかろうとしたけど、はるこちゃんと安田くんに止められた。
安田くんが三井くんにやめてほしいと頼む。すると安田くんに殴りかかった!
「安田くん!」
「安田!」
私と小暮くんはあわてて駆け寄る。
安田くんは鼻血を出して倒れてしまった。