第2章 届かない
「俺たちも混ぜてくれよ、宮城」
聞きなれた声が後ろから聞こえて振り返ると
三井くんと何人かの男の子が土足で体育館に入ってきた。
「ちょ、三井くん!?」
リョータくんと喧嘩してから全然見かけてなかったのに、まさかリョータくんが退院したからまた目をつけて?!
三井くんは私を見つけると驚いた顔をした。
「雪…おまえ、まだバスケ部に…」
「…そう、だよ。」
バスケ部に戻ってきてくれると期待はしてたけどまさかこんな形でなんて…!
「おい、土足はやめてくれよ!」
「小暮さん、やめてくれっ」
土足で入ってきた三井くんたちを小暮くんは注意したけど、リョータくんはそれを止める。
三井くんは私がいたことに驚いていたみたいだけど、小暮くんが声をかけたことによって注意が小暮くんたちに向いた。
すると三井くんの仲間のひとりが吸っていた煙草の吸殻を床に落とし、足で床に擦り付けた。
「おい!なんてことしてくれてんだ!」
それを見た花道くんが激怒して、リョータくんがそれを止める。
「バスケ部にもこんなんがいるのか。おもしれぇ」
吸殻を捨てた男は花道くんを見てにやっと笑う。
「今は練習中なんだ。ほかの部員もいる。やめてくれ、三井さん、頼む」
リョータくんは三井くんに引き上げるように頼み込むが、三井くんはバスケットボールを掴んで煙草を押し付ける。
「俺はな、ぶっこわしにきたんだよ」
三井くん、、なんでこんな。。
ううん、なんでかなんて分ってる。でもこんな酷いこと…
「うっ…」
すると突然バスケットボールが飛んできて三井くんの仲間の一人にぶつけられて倒れた。
ちょ、誰がこんなこと!
「ちっ外れたか」
流川くん?!
後ろを見るとボール入れからボールをとって投げつけたらしい流川くんが。
「おまえんところの連中、おまえよりやる気あんじゃねぇか?なぁ、宮城?」
三井くんがにやっと笑いながらリョータくんに言う。やばい。こうなったら三井くんもきっとやり返してくる。
三井くんはバスケットボールをとり、リョータくんのお腹めがけて蹴った。
「リョータくん!」
「リョータ!」
わたしとアヤちゃんが同時に悲鳴のように声をあげた。