第2章 届かない
その日の部活には久しぶりにリョータくんがきた。
退院したっていうのになぜかまた怪我が・・また誰かの喧嘩したのかな。
大丈夫?というとこれぐらいなんともないっす!と元気に言ってたからよかったけど。
花道くんは新しいバッシュで浮かれているのか今日も楽しそうに練習していた。
どうやら花道くんとリョータくんは仲がいまいち悪いらしい。
2人で練習するも、ボールの取り合いで喧嘩になってしまった。
花道くんと流川くん、花道くんとリョータくん、いずれにしてもうちの部活の後輩たちは共に仲良くならなさそうだ。…こんなんで大丈夫かな?
リョータくんと花道くんがまた喧嘩して、その間にアヤちゃんが入って止める。
リョータくんはアヤちゃんに片思い中だからか、アヤちゃんの言うことならあっさり聞いてくれるんだよね。
そんなこんなでなんとか部活も終わり、私はみんなの使った体育館を掃除する。
「永井」
「あ、赤木くん、小暮くん」
掃除もだいたい終わったところで二人に話しかけられた。
「どうしたの?」
「掃除いつもありがとな」
「いや、別に大丈夫だよこれぐらい」
「俺と赤木でこれから喫茶店行くんだけど、永井もどう?」
小暮くんが誘ってきてくれたため、一緒に行くことにした。
「うん、いいよ。着替えるから校門で待っててくれる?」
「りょーかい」
「焦らなくていいからな、ゆっくり来い」
「はーい」
ふたりは校門へ、私は着替えるためにロッカールームへ。喫茶店はたまに私と赤木くん、小暮くんで行っている。バスケ部について3年の話し合いにはちょうどいい。
ーーー喫茶店
私と小暮くんはオレンジジュース、赤木くんはコーラを頼み、さっそくバスケ部について話す。
私の横に座っている小暮くんは楽しそうに話してきた。
「赤木、流川のフォアードに加えて、ガードに宮城、桜木もバスケ部員ぽくなってきたじゃないか 」
「そうだね、いいメンバーが揃ったと思うよ」
嬉しそうなわたしと小暮くんとは真逆で、赤木くんは少し困ったような顔をしている。
「ま、まぁ桜木と宮城はな、これからどうなるか心配だけど、、」
「今日も喧嘩してたもんね…」
「赤木にとったら不安も増えたけど、楽しみも増えたってことか」
小暮くんが赤木くんの心中を察する