第2章 届かない
「花道くん?」
「はい。問題児が2人になるかと思うと憂鬱で。。」
「はは、明るくなるね。」
「永井先輩、、さすが図太いですね。」
苦笑しなが言うアヤちゃん。図太いってそれ、褒めてないよね・・・?
リョータくんの話をしていると遠くから変な歌が聞こえてきた。
「天才~おれは天才~~~♪」
「「ん?」」
聞きなれた声が近づいてくる。
見ると赤い髪の毛、やはり花道くんだった。
「あ、アヤさん、永井さん!」
こちらに気がついたのか、ぱっと笑顔になる桜木くん。
「変な歌歌ってんじゃないわよ、へたくそ」
「はは、元気だね、今日も」
「へへへ」
ポリポリと頬をかく花道くん。なんだかいいことでもあったのかな?
そういえば、昨日は晴子ちゃんとバッシュ買いにいったんだっけ。
それで上機嫌なのかも。
「ちょうどいいわ、花道!人探し手伝ってよ。」
「人探しですか?この天才花道にお任せ下さい!」
「アヤちゃん、私も手伝おうか?」
「永井先輩はドリンクの準備とかもありますよね?こっちは大丈夫です、花道がいるので。」
「そう?」
「はい!この天才にお任せを!」
じゃあ任せようかな?とお願いして先に部室に戻る。
今日はリョータくんが部活に来るのかもしれない。
多めにドリンクの準備をしよう。あ、あと退院お祝いをしたいな・・。
部室に戻りながら考える。退院祝いどうしようかな、とか、ふと嫌な考えがよぎった。
三井くんにリョータくんが退院したとわかったら三井くんはまた絡んでくるんじゃないだろうか。
一言言っておいたほうがいいのかな。。
でも、三井くんはまだ私がバスマネをしていることに恐らく気がついていない。
今まで関わっていなかったし、リョータくんのことで怒りに行ったときも話す隙間もなくシカトされた。
今私が三井くんにリョータくんのことで話にいっても何でお前が?ってなるかも。。
ううん、もうきっと絡んでこないよね、向こうだって痛い目にあったんだし。
気持ちを切り替えて、さっさと部活に行こうと足を早めた。