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あわい夏の夢

第2章 届かない



「私も先生に前教えてもらってね。流川くん、ちょっと危ないんじゃないかって思って。」
「・・・気をつけまス・・・。」
「ん、この授業はもう始まっちゃったから、次の授業から出るんだよ?」
「了解っす」
「それじゃ私は寝るの邪魔しちゃ悪いし、先生に見つからないようにそのへんで時間潰すよ。」
「待て・・」
「え?」

立ち上がり、出ていこうと思ったらいきなり流川くんに洋服のすそをつかまれた。
何事かと思って見ると流川くんは私を見上げてくる。

「ここにいたらいい。」
「え、でも寝るんでしょ?邪魔じゃない?」
「邪魔じゃない・・ス。それに先生に見つかったら面倒。」
「・・それもそっか。じゃあここにいようかな。流川くんは寝てていいよ。時間になったら起こしたげる。」
「あざす。」

私はまた流川くんの横に座ると流川くんは横寝そべった。
ゆっくりとした時間が流れる。
なんだか私も眠たくなってきちゃった。

「雪さんて・・」
「え?」

寝たと思った流川くんがいきなり話しかけてきた。
寝たんじゃなかったんだ・・・。


「なんでバスケ部のマネになったんすか?」
「え、」
「男のためって聞いた・・」

男のためって・・・三井くんのこと?

「誰から聞いたの?そんな話。」
「小暮先輩」

もう、小暮くん、何を話してるのよ・・。
でも、まぁ流川くんになら話してもいいかな。そんなたいした話でもないし。
私は体育座りをして、空を見る。
今日は雲ひとつないまっさらな空だ。

「どこまで聞いたのかわからないけど、友達がね。全国制覇を目指すためにバスケ部に入ったのよ。」
「・・・。」

無言で聞いている流川くんの表情はこちらからは見えない。
他人にそんな興味を持たないような彼なのに。めずらしい。

「それでバスマネに誘われたの。最初は断ろうと思ったんだけどね、試合を見たら私もその仲間になりたいっておもって。
それだけだよ。」

「ふーん・・。そいつって誰?ゴリ・・赤木先輩?」

ゴリって言っちゃってるよ、、流川くん・・・。
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