第9章 8.二つの翳り
夜。
「お背中お流しいたします、我が主よ」
そんなことを言われ他ので、せっかくだからお願いすることにして、二人でお風呂に入っている。
「ふあ〜……」
お背中お流し〜、どころじゃない。洗顔以外ぜんぶやってくれました。
……当然といえば当然なのか、お互いその気になってしまい(クロハが本当にそうなのかは知らない)、結局そのまま致すことになった。
いままでにたった二回しただけなのにわりと病み付きになってる自分がちょっと恥ずかしい。
「ふぇ、あうっ、あんっ、きゃっ」
彼は私のナカを弄りながら、首筋に軽く噛み付いた。
そのまま軽く歯を立てられる。……少し痛い。
けれど、不思議といやではなかったし、むしろ多少気持ちいいと思った。
「驚きましたか?……ふふ、すみません」
クロハはまた乾いた声で笑った。
「さて、こちらも使えるようにしなくてはいけませんね。……舐めていただけますか?」
クロハの言う「こちら」とは、もちろん彼のモノのことだ。……私は彼に言われるがまま、彼のモノを口に含む。
「はむ……ん……、……ちゅぅ……」
「そうそう、その調子ですよ」
美味しい。
と、いうよりかは、楽しい?
舐めたりだとか、咥えてみたりとか、少し手で触ってみたりとか、試行しながら彼のモノに何度も触れた。
矢張り熱くて、それから、大きい。
「ん……」
「少しいいですか?そのまま、咥えたままにしてくださいね」
クロハが言う。
素直に従えば、何の事は無い。彼の精が、私の口に注がれた。
苦い。
「……ん……」
こぼさないようにしながら、ゆっくり口を離す。彼は私を軽く抱き上げながら、『飲んでください』と囁いた。
「……んぅ、」
ゴクリ、と音を立ててそれを飲み干すと、クロハは満足げな顔をした。
「さて、それではそろそろ本番に──と、そうでした」
ふと思い出したようにクロハはどこからかアルミの袋を取り出した。
「コレ、つけてくれますか」
アルミの袋から取り出して私に見せたのは、いわゆるゴムというやつだ。
「うん」
受け取ると、私は彼のモノにゴムをつけた。……表面が張っているように見えるからか、ゴムをつけたそれは何時もより大きく見えた。
「さて、じゃあ……やりますか」