第6章 6.欲しかったもの
「……おーい」
こりゃもうダメだな、完全にトんでる。
「ほんっと、イくのに弱えなー……」
いや、普通に考えてイくのに弱いのは当たり前だけど、流石に2回でへばるっつーか、寝るのは早すぎるだろ。
「まだ一回しか出してねえよ、馬鹿」
俺にもたれかかってすやすやと眠る彩芽の頭を小突く。……が、呑気にアホ面を晒して寝ているあたり、気づいてもないんだろうな。
「困ったもんだ」
このまま寝かせておいてやるにしても、まずは身体を洗ってやらないとな。……彩芽の身体から俺のモノを抜いて、中のものが溢れないように一時的にティッシュで栓をする。
歩きやすいよう軽く服を着直し、彩芽を横抱きにして抱え、浴場へと運んでやる。
「さて、と」
壁に寄りかかるように彼女を座らせ、中途半端に脱がせていた服を全て脱がせる。
自分も服を脱いで、一緒くたに大きな洗面器に放り込む。……あっちはいったん漬け込んでおいて後で取り出して洗濯すればいいとして、今はこいつの身体だ。
シャワーで汗を流して、それから……ティッシュを取り出して、中のものを掻き出す。
ぴくり、と彩芽が身じろぎする。……起きなければ問題は無い、それより中に残るほうが問題がある。
掻き出しきれない分は弱くしたシャワーを当てて湯で洗い流して、どうにかこうにか彩芽の身体を綺麗にした。
ついでに自分も身体を洗い、風呂場を後にする。……ふと窓の外を観れば真っ暗で、時計を見ると10時過ぎを指していた。
結局俺は1回、彩芽は2回イっただけだったというのに、随分と時間がかかってしまった。夕飯も食ってねえよ。
まあ、のめり込んだ自分も悪いということで頭を納得させつつ、彩芽の身体を拭いて、自分の身体も拭いて、道中で自分の着替えを回収しつつ部屋に戻ってきた。
まずはこいつに服を着せてやらないとな。
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