第6章 6.欲しかったもの
「……っ!?」
言い訳を並べた刹那、彼に後頭部を軽く抑えられ、
無理矢理、キスをされた。
それは無理矢理な割に、乱暴な、というよりは優しいキスで。
「なあ、彩芽」
「……何……?」
「俺の価値観を変えちまったのはお前だ、だから……責任は、取れよ」
「なっ、何、それ、普通、私の台詞じゃないの、そういうの……」
「そんなのどっちでもいいだろ?いいから、体の力抜いとけ」
もう一度、今度は深いキスをされる。
彼の長い舌が、口内を味わい尽くすように這いずり回るのが心地いい。
「んっ……、ぷは……」
「……」
絡みあった舌が離れる。
唾液が糸を引く。クロハは右手で自らの口元を拭い、糸を切り上げ、指を少し舐めて湿らせた。
「動くなよ?」
彼は片手で器用に私の服を脱がして行く。上に着ていたTシャツを脱がして、下着をずらす。
そのままぐい、と抱き寄せ、私を膝の上に座らせた。
「ひゃ……ん」
胸元に右手を添えられる。それだけで小さく声を上げてしまう。……冷たい指だ。頭を撫でるときとは全然、違う。
「こっちも、触るぞ」
彼の左手が私の太ももに触れる。スカートの裾をめくり上げて、こっちの下着を脱がす。
「……スカートは脱がさないんだ」
「好みの問題だろ」
いけないいけない。閑話休題。
「あんまり生意気いうと最後までしてやんねえぞ」
「それはかんべんしっ、て、あっ、あ」
彼の左手が既に濡れている私の秘部に触れる。
「なんだ、期待してたのか?」
「言わないでっ、よお」
「悪い悪い」
ははは、と耳元で彼が笑う。その声だけで身体が少し反応した。……なんていうか、気持ちイイ。
「ちゃんと弄ってやるから」
低い声で囁かれる。彼の左手が私のナカに這入ってくる。
「あっ、ふぁ、あんっ、んっ、クロハ、ぁ……」
「いい声で啼くじゃねえか、ん?」
人差し指と中指のふたつに、ぐちゃぐちゃに掻き回される。
薄く伸びた爪でナカを軽く引っかかれ、刺激にまた甲高い声を上げる。
「かわいー声だなおい……」
「う、うるさいぃ……っ」
彼はかまわずナカを弄りまわす。
私の身体を弄ぶ。
気持ちいい。
「あっ、あァんっ、あっ……」
ダメ、そんなに同じところ、触られたら。
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