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Bloody Signal

第12章 cage 枢√



 酷く昨夜が長く感じた。けれど眠りに一度ついた私には、ほんのつい先ほどのことみたいに思えて。毎日浴びていた太陽の光が、一層嫌いになった。


「学校……行かなくちゃ」


 私を迎えに来る人物はいないのだから。


 黒い制服が重く感じる、いつもと変わらない重さのはずなのに鉛みたいに重い。それは私の心の分なのか、それとも……違う何かのせいなのか。

 理事長の話を聞いてから、色々と考えていた。その間に眠ってしまったのだけど……事実として受け止めるには、まだ私はそれを自分の過去として思い出せていない。そのせいもあってか、やっぱり認めることが難しかった。

 二人も私の処遇には迷っているらしく、とりあえず様子見ということで昨夜は解散となった。


 ――私はこれから、どうなるのかな。


 見えない未来に怯えるなんて、それは人間誰しもそうだと思う。先の事なんて何もわからないから、時々怖くなる。これからの自分はどうなるんだろうって。それでも怯えている自分が情けないと思えたりする。



 教室に向かう廊下。不意に、ぐらりと目の前が眩んだ。驚いた私は壁に手をついて、なんとか持ちこたえた。何? 今のは……。


「珠紀! 大丈夫!?」

「あ……優姫」


 様子のおかしい私を心配してか、その姿を見つけたからか優姫が駆け寄ってきた。彼女の首には絆創膏が貼られている。夢じゃないんだと……嫌でも実感する。

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