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Bloody Signal

第1章 call



 あと、確か夕方に普通科と夜間部は入れ替えを行うから、その際に混乱が起きない様にらしい。えっと……夜間部と校舎を繋ぐ門が開かれるんだけど、よく普通科の女子生徒はそこに集まって夜間部の人達は一目見ようと群がるのだと優姫から以前聞いた。

 それを取り締まるのが、一番の目的だけど。後は……夜、見回りをするのも二人の仕事。とてもじゃないけど、二人だけでやるような仕事量じゃないけど理由を知っている側からすると、この仕事は本当に学園には欠かせない。


 もし、怠るようなことがあれば……その時はこの平穏な日常が壊れることだろう。




 放課後のチャイムが鳴る。優姫が首を垂れているところを察するに、補習からは逃げられなかったようだ。うん、頑張って。


「おい珠紀、お前は今日も夜間部は見ないで帰るのか?」

「うん……だって見る必要ないし」


 見る必要なんてない。知る必要はない。彼らが"何であるか"だけわかっているなら、それで。


「そうか……寮の近くまで、送っていこうか? また急に倒れたりしたら」

「大丈夫! 私は、平気だから」


 にっこりを笑みを作って、二人に「また明日」と告げて教室を出た。

 オレンジ色の光が、ぼんやりと廊下を照らす。眩しい……けれど朝に比べれば、優しい光。身体も朝方よりかは軽い感じがする。


 寮に向かって歩みを進める。ふと、全方から見慣れない制服を着た男子生徒がこちらへ向かって歩いてくる。白い制服。あれは……夜間部の生徒? でも、どうしてここに?

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