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Bloody Signal

第1章 call



 黒主学園。ここは、私が通う学校。この学園には二つの学科があり、一つは私と優姫がいる普通科(デイクラス)、もう一つは夜間部(ナイトクラス)、この二つである。

 一体何が違うのかというと、昼と夜で入れ替わりで校舎を使っているのである。普通科は昼に、夜間部は夜に。大きな校舎を二つの学科が、ほぼ毎日夕方に入れ替えを行い勉学を学ぶ。


 実のところ、普通科では夜間部の生徒達はとても人気があったりする。特に女子生徒に。その理由は単純で、夜間部にはかっこいい男子生徒が多く在籍しているらしい。

 "らしい"というのは、私が夜間部を未だ見たことがないからである。


「もうすぐ教室だよ、珠紀」

「うん……っ」


 体力には自信がないため、既に息切れを起こしていた。ようやく教室に辿り着くと「遅い」と不機嫌気味に声をかけてくる一人の男子生徒。


「零……」

「遅いじゃねぇか珠紀。ああ、優姫も」

「なんで私はついでみたいな扱い!?」

「優姫煩い。遅刻しなくてよかったな」


 錐生零、それが彼の名前。普通科では唯一の男子生徒の友人だったりする。優しいんだけどね、少し怖いところがあるから……クラス内では評判が悪かったりするけど。


「優姫と零は今日も風紀委員の仕事?」

「うん、そうだよ。無事に私が補習を免れたなら……だけど」

「いやそれ絶対無理だろ」


 二人は学校内で風紀委員というものに入っている。風紀委員の主な仕事は、普通科と夜間部が必要以上に干渉し合わない様に校内の風紀を取り締ること。うん、そのままって意見はなしで。

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