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Bloody Signal

第7章 Dissonance 枢√



「珠紀のお弁当が今日は豪華だ……」

「え? そうかな?」


 私のお弁当の中身を覗き込みながら、パンを加えている優姫。私が言うのもなんだけど……それは凄くはしたないと思うよ、優姫。


「何かいい事でもあったんでしょ!?」

「え!? い、いいことだなんて……」


 ふと思い浮かぶのは玖蘭さんの顔。フラワーギフトデイ以来、何故か彼を意識してしまって仕方ない。気になる……と言ってしまえば聞こえはいいけれど。そういうのじゃないと思うんだよね……。


 ――たぶん、優姫を気にかけている玖蘭さんが気になるだけ。


 どうしてそこまで優姫を大事にしているのか、私のつまらない好奇心が彼に向いているだけ。そう自己完結してみると、少しは彼を考えている時間が減ってくれるような気がした。うーん、それはそれで意識していないと言えるのか。


「何一人で唸ってるの? 珠紀」

「ん――? ううん、なんでもないの。優姫の方こそ、何かいい事あった?」

「なんでわかるの!?」

「……まだ何も聞いてないけどね」


 優姫は明らかに朝から嬉しそうだった。何があったのか、聞いていいものなのかわからなかったけど。聞かなきゃ何も始まらないよね。

 私は動かしていた箸を止めた。


「ねぇ、どんないい事があったのか私にも教えてよ」

「うっ……ほんと、たいしたことじゃないんだよ?」

「それでもいいよ」


 優姫は可愛らしく、照れくさそうに頬を赤らめて話してくれた。

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