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Bloody Signal

第6章 moon 枢√



「どこも痛くないです」

「それならよかった……驚いたよ。急に倒れるからさ!」

「すみません……自分の意思ではどうにも出来ないもので」

「君ってもしかして、ナルコレプシー?」

「え……わかるんですか?」

「なんとなくだよ。以前読んだ本に書いてあった気がする」


 どんな本を読んでいたのか聞いてもいいのだろうか……?


「僕は一条拓麻。君は……珠紀ちゃんでしょ?」

「なんで知ってるんですか?」

「枢から聞いたことあるんだ! 可愛らしい普通科の女の子の知り合いが出来たって、僕に自慢してきたからさ」

「……自慢するような人には思えません。玖蘭さんは」

「ありゃ、ばれちゃった?」


 一条さんはなんだか陽気な人だ。あれ? 白い制服を着ていて、玖蘭さんと知り合いということは……この人も夜間部の人なんだ。


「もう大丈夫なので、会場に戻って下さって大丈夫ですよ。あの、ご迷惑をおかけして……すみません」

「別にいいよ。丁度退屈していたし、僕の話し相手になってくれないかな? 昨日見たドラマが凄く面白くってさぁ!」


 私が答えるよりも先に、一条さんは普段日常で起きている面白かった出来事や、そのドラマの話を本当に楽しそうに私に話してくれた。わからないことも多かったけど、それについては私がわかるようにと詳しく順を追って説明してくれる。

 私も彼の話に次第に耳を傾け、くすっと思わず笑った。

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