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Bloody Signal

第33章 love 千里√



「それでも、私達が今ここで頼れる相手となれば君しかいない。君になら、安心して珠紀を任せられると思うんだ。なぁ、お前もそうだろ?」
「ええ、勿論だわ。無理にとは言わないな……貴方の選択に、全て委ねるわ」

「そうですか……」


 何にしても、この二人はいつか自分がいなくなるってもう決めつけている辺りが気に食わない。必死に生きて、そして彼女を守ればいいじゃないか。相手が誰であろうとも。俺ならそうするし、自分が傷付くことだって厭わないのに。


「我々は、どう足掻いても沙耶を嫌いになることは出来ない。だからこそ……君に」

「……」


 言われなくとも、俺は珠紀を……守るよ。







 とある晩、嫌な予感がして俺は家を抜け出して珠紀の家へと向かう。その途中、焦げたような臭いがしてより一層不安感が募る。


「(珠紀……お願い、俺がいくまでどうか無事でいて……っ)」


 森を駆け抜けていく。途中に見えた花畑に、彼女の家が近いことを悟って走る速度を上げる。嫌な汗が額に滲んで、息はどんどん乱れていく。けれどそんなことは、お構いなしだ。

 俺はようやく、彼女がいてくれるはずの家へと辿り着いた。


「……!! なんだ……これ……」


 そこに家はなかった。燃え盛る炎に包まれて、家は焼け落ちていく。家の前に、倒れている人を見つけて慌てて駆け寄った。

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