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Bloody Signal

第4章 puzzlement



 寮に着いて、いつものように自室に閉じこもる。一人の時間が訪れて、だんだん何も考えられなくなってくる。これは深い深い眠りの合図……。

 けれど、それを妨げるように携帯の着信音が鳴り響いた


「誰……?」


 ぼんやりとし始めた頭で考えて、携帯を掴んだ。ディスプレイには零の名前が表示されている。


「もしもし……?」

『もう帰ったか?』

「え? うん。帰ったけど……どうかしたの?」

『いや、教室に戻ったら女子達が噂していたから』

「あ――……」


 それには心辺りがある。たぶん、玖蘭さんのことだと思う。零は知っているんだろうか? というか、それは噂みたいに広がっているのだろうか? だとしたら、明日登校するの億劫だなぁ……。


『玖蘭枢は?』

「寮に着いたと同時に、校舎の方へ戻っていったよ。たぶん授業を受けに……」

『そっか。何もされてないか? 女子にも、玖蘭枢にも』

「玖蘭さんが来てくれたから、何も起きなかったよ。玖蘭さんに何かって、何?」

『……何もないならそれでいい。明日、学校来れるか?』


 明日は年に一度のフラワーギフトデイ。休んでも、たぶん誰も咎めないと思うけど……通常の授業もあることだし、休むわけにはいかない。

 零は心配してくれてるんだよね? だから、わざわざ電話なんか……。

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