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Bloody Signal

第25章 calm 千里√



「千里……?」

「俺が起きるまで、傍にいるから。寝て……」

「でも……」

「じゃあ、一緒に寝る……?」

「っ……、おやすみなさいっ!」


 恥ずかしくて、思い切り逃げるように布団を被って寝転んだ。な、何を言っているのかまったく。……目を閉じてみれば、くらくらした意識の中ですっと身体が沈んでいくのを感じた。

 遠くの方で小さく"おやすみ"という言葉が聞こえて、そのまま私は夢の中へと沈んだ。




 夢の中は居心地がよかったり、そうでなかったりの差が激しいと思う。心地よい夢を見ている間は、例え外の世界で何が起こっていようと知ることもないしその小さな閉じられた世界の中で、自分を守っていられる。

 何も変わらなくていい、何も……。

 変わらない教室の中で、優姫と零と笑い合って退屈な授業を受けて……それから時々夜間部の人達の話を小耳に入れて。そういうささやかなものでいい。


 真っ白な夢を漂っていると、眠りから意識がまた醒めていくのを感じる。次目を醒ました時には……千里はいないんだろうな。


「んっ……」


 あんなに寝たというのに、やっぱりなんだかまだ眠いような気が……逆に寝すぎておかしくなってきたとか?

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