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Bloody Signal

第3章 Lady



「珠紀。優姫を置いて行くから一緒に作業してろ」

「え……? でも、優姫も風紀委員だよ?」

「お前を一人にするくらいなら、俺と優姫どっちか残る。いいな? 優姫」

「わかったよ、零。じゃあ珠紀は私と一緒に作業やっちゃおう!」

「……二人共、ありがとう」


 零は「気にすんな」と言いさっさと教室を出て行った。


「零って最近、クラスの人に怖がられてるんだって。知ってた? 珠紀は」

「え? 知らなかったけど……え? なんで怖がられてるの?」


 確かに顔は怖いけど。


「それが私にもさっぱり理由がわからないんだよねぇ。誰に聞いてみても、良い反応が返ってこないことくらいで……誰も話したがらなくて」

「まさか、ついに零が暴力を……っ?」

「いやいや。いくらなんでもそれはないでしょ」


 零は優しいけど不器用だから、誤解されやすいんだと思う。彼と初めて出会った時、私も絶対に怖い人だと思い込んでいたけど、あくまでそういう雰囲気があるだけで実際は違うってことがわかった。

 優姫以上に零のことをわかっているつもりはないけど、これでも彼の友達として過ごしてきたんだから。多少は周りの人達よりかは良さを理解しているつもり。


「まぁ、零は警戒心むき出しの猫みたいな感じだから」

「……優姫、それ本人が聞いたら怒るよ」


 どうか聞こえていませんように!


 着実に準備は整い、あとは明日を迎えるだけとなった。

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