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Bloody Signal

第24章 tomorrow 零√



「いい子よ、珠紀。やれば出来るじゃない……いいわ、珠紀の望み通り、零を助ける方法を教えてあげる」

「珠紀? 零を助けるってどういうこと? まりあさんと、一体何を……」

「優姫さん。貴方はね、珠紀に騙されたのよ……?」

「まりあ……っ!」

「黙っていなさい珠紀。珠紀にね、お願いしたの。貴方をここに連れて着てって、その代り……大好きな錐生零を助ける方法を教えてあげるって」

「零を助けるって……そんなこと、出来るの?」


 優姫も零を助ける方法がある、と聞いただけで反応を示した。それがまた、まりあからすれば愉快な光景だったのかくすくすと笑い始める。


「貴方達って本当に彼のことが好きなのね。大切なのね。ほんと、いっそのこと全部壊してあげたくなるわ。まぁ、いいわ……教えてあげる。彼を救う方法を」


 まりあの声と共に、奥から仮面をつけた男の人が現れる。その腕に、着物を着た女の人を連れて。彼女を見た瞬間、私の中で大きく鼓動がする。急激に何かを思い出しそうな感覚に、足元がくらくらと歪む。


「珠紀は沙耶のことを、知っているのかしら?」

「沙耶……お姉さんの事?」

「あら! ちゃんと思い出しているのね。偉いわ。ならもう、器の意識は必要ないわよね」

「え……?」


 まりあが仮面の男に近付く、そして何をするのかと思いきや女性の額に口付けると、女性は目を醒ました。彼女の瞳と、目が合う。


「閑……?」


 気付けば、そう口にしていた。嘘だ、私はこの人を知らない。知るはずがないんだ。

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