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Bloody Signal

第23章 ache 零√



「もう、戻らなくちゃ」


 急いで教室へと戻る。運命の明日は、刻一刻と迫っていた。









 舞踏会当日、ついにこの日がやってきた。朝起きたら淡い水色のドレスが入った箱が置いてあり、正直戸惑った。舞踏会というからには、そりゃお洒落していった方がいいのだけど……別に制服が駄目なんて書いてないし。


「あ……」


 と思いきや、どうやらこのドレスの差出人は零らしい。なんでまた? いい加減制服で来るのはやめろっていうメッセージなの?

 仕方なくドレスを着てみると、思ったよりもぴったりで少しだけ寒気がしたのはここだけの話。


 舞踏会というだけあって、時刻は既に夕方。会場へと到着すると、一か所既に人だかりが出来ており何事かと凝視する。


「あ、珠紀!」


 そう言って手を振るのは、玖蘭さんだ。ふわっと微笑んで女子の輪をかいくぐってやってくる。女子の視線が凄く……怖くて痛い。


「そのドレス似合うね。もしかして、錐生君から?」

「え!? な、なんでわかるんですか!?」

「ふっ……君は正直だね」


 もしかして、かまかけられた……?


「それよりも、なんだか顔色が優れない気がするけど大丈夫?」

「平気です。ちゃんと睡眠も取れてますし!」

「そう……。ねぇ、最近どう? ナルコレプシーの方は」

「え? あ、そういえば……最近になってナルコレプシーになる回数が急激に減ったんです。これはいいことですね」

「そうだね……素直に喜べることであってほしいけど、君の場合はどうかな?」

「え……?」


 玖蘭さんは不敵な笑みを浮かべたまま、私の中にある核心に触れるかのように、言葉を紡ぐ。

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