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Bloody Signal

第21章 dusk 零√



「貴方、錐生君に何か言ってるわけ?」

「……何がですか?」

「とぼけないで! あのフラワーギフトデイの日、錐生君が怒鳴りに来たのは貴方のせいなんでしょう!?」

「え……? どういうことですか?」

「はあ? まだ白を切るつもり? あの日、会場内で貴方のことを話していたのよ」

「私のこと……?」


 そういえば、あの時ココアを持って外に出た時に零はいなかった。そして少ししたら会場内がざわついて……そこから零が物凄い剣幕で出てきたんだっけ。もしかして、それと何か関係してるの?


「そうよ。貴方みたいな気味の悪い人、いい加減消えちゃえばいいのにってね。そしたら錐生君、なんて言ったと思う?」

「……」

「"あいつを傷付ける奴は、誰だろうと俺が許さない。"ですって! 笑っちゃうわよね!」


 その人達の下品な笑い声が辺りに響く。何がおかしいの? 零はただ……私を、庇って……。


 ……だからなの? 私のことを悪く言われていたから、それで怒って……あの日。


「ねぇねぇ、君達。そんなにそれって、面白いことなのかな?」

「え……?」


 私を含め、その場にいた誰もがその声の主へと視線を向けた。


「あ……っ、藍堂先輩!?」

「……ねぇ、僕も混ぜてくれる?」

「……っ、しっ失礼しました!」


 女の子達が一斉に逃げていく。英さんは涼しい顔をして、はぁと溜息をついた。

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