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Bloody Signal

第20章 guilty 零√



「さあ、もうその話はいいだろう? 廊下にいるから準備が出来たら出てこい」

「うん、わかった」


 そうだ、今日の目的を忘れてしまうところだった。手早く着替えを済ませて慌てて廊下へと出た。


「よし、大丈夫だな。じゃあ行くか」


 暖かい太陽の下、私達は手を繋いで街へと飛び出す。平日の影響か、街はあまり人がいなくて静かに思える。


「あ、ねぇ! クレープ食べたいっ」

「はあ? なんであんな甘い物を……」

「駄目?」

「……わかったよ」


 渋々承諾してくれた零は、一緒にクレープ屋に行ってくれる。


「何がいい?」

「うっ……種類が多くて迷う」

「なんでもいいから。俺はチョコバナナで」

「え!? じゃあ、私は……苺レアチーズ!」


 注文会計を済ませて、クレープが出来るまで待つ。なんか新鮮かも、こういうの初めてだし優姫とも街へ来てこんなことしたことないなぁ。


「学校に通う前のお前ときたら、リハビリのせいで随分身体が弱かったよな」

「覚えてるの?」

「なんとなくな。走ることなんて絶対出来なかったし、一時は運動も出来ないんじゃないかって言われていたな」

「そうだね……でも、今は体育も出られるよ!」

「見学は多いけどな」

「確かに……」


 店員さんが「お待たせしました」とクレープを二つ、差し出す。それぞれ受け取ると、次の場所へ向かって私達は歩き始める。歩きながら食べるクレープは、なかなかに難しい!

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