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Bloody Signal

第2章 sleep



「おい珠紀」

「ん……?」


 なんだ、零起きてたんだ。


「お前は誰かに花を贈るのか?」


 珍しく真剣な眼差しで尋ねてくる。優姫に言った通りだけど、私は元々そのイベントには興味がないし誰かに贈ろうとも考えていない。

 そのままを伝えればいいのに、何故か零相手には濁した言葉で返してしまった。


「さあ……」


 自分で言っておいて、何が「さあ」なんだと心の中でツッコミを入れておく。勿論そう言いたいのはきっと零の方だ。


「……なんだそれ。変な奴」


 今度こそ、零は寝入ってしまった。

 いい事を思いついた、彼が授業中よく寝ているのにも関わらずほぼ補習にならないのが謎だと、今日の日誌の感想欄に記入しておこう。

 あとで零に怒られるなんて思考は、片隅に置き去りとなった。




 陽は傾き、今日がまた終わる。教室を出ていく生徒達に習って、私も鞄を持って席を立った。


「珠紀、日誌書けたか?」

「うん、職員室に出して帰る」

「待て。俺も一緒に行く、だから待ってろ」


 零はまだ黒板を消している最中。本来なら、放置して帰っても対して問題はないんだけど……彼が一緒に行きたがる理由を何となくわかっている為か、私は素直に「わかった」と返事をした。


 ようやく終えた零は、私の鞄を奪い取って徐に手を掴まれた。

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