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Bloody Signal

第14章 birdcage 枢√



「ねぇ、枢……」

「君はいつだって僕に残酷だ。優しくて、だからこそ……僕の汚らわしい心が、露わになる。直視せずに過ごすことが出来ないほどに、眼前へと晒される」

「そんなこと言わないで下さい。枢はとても優しい人です……私は、きっと枢が優姫を大事に思うような気持ちで、零を大事に思っているだけなんです」

「そう……だとしたら、ますます嫌かもしれない」

「え……?」


 逆にもっと嫌になるってこと? よくわからない……。


「私はちゃんと枢のこと、思ってるよ?」

「そういうことじゃなんだよ、珠紀」


 枢は優しく私の頭を撫でた。


「私……時々枢が何を言いたいのか、わからなくなる時がある。あのね? ちゃんと伝えてほしい……。はっきり言ってくれないとわからない。私はもっとちゃんと、枢のこと知っていたいし悲しい顔、させたくないの」

「……そう。別に僕の事なんて、何も知らないでいてくれたもいいのに」


 拒絶とも違う、ただ……曝け出すつもりはないと、そう遠回しに言われた気がした。


 ねぇ、枢……。貴方の心の中にある感情は何? お願い、私に少し……見せてほしい。



 教室へと入れば、私とまりあは担任の先生に軽く紹介され、挨拶を終えた。やっぱりというか……私はなんと枢の隣だった。


「近い方が何かといいね」

「枢の仕業ですか? いいんですか、こんな卑怯な真似みたいなことをして」

「いいの。僕が珠紀と一緒に居たいんだから」


 うん、周りの視線が痛い。


 まりあは私とはとても遠い席へと、腰を下ろした。きっとこれも枢のせいだと思う。

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