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Bloody Signal

第14章 birdcage 枢√



「珠紀、これはどういうことだ……?」

「えっと……どういうことっていうのは?」

「なんでお前が夜間部の制服を着て、登校してくる? しかも月の寮から」

「それは……話せば長くなるというか」

「はあ? 手短に説明しろ」


「錐生君」


 私達の間を縫うように、枢が入り込む。私を背に隠し、また枢も険しい顔で零を睨んでいた。二人は本当に仲が良くないんだとこの時改めて実感してしまった。


「錐生君にはもう関係のない話だ。珠紀はこちら側の存在になった、それが意味するものは一つ。後で優姫にでも理事長にでも聞いてみるがいい。さあ、行くよ珠紀」

「枢……! ちょっと……っ」


 強引に私の手を引いて、この場を立ち去る。後ろを振り返れば、悲しそうに……私を見つめる零を見た。私って……零に悲しい顔ばかりさせている。ごめんね……。


「本当に君は優しすぎる。いい加減錐生君を気遣うのはやめなさい」

「どうしてそんなこと言うんですか? 彼は私の……大切な友人なんですよ?」

「……」


 重くて静かな沈黙が流れ始める。他の人達は、友人達と会話を楽しみながら校舎へと向かうというのに。先頭を歩く私と枢は、互いに言葉を口にしない。ううん、出来ない……のかもしれない。

 枢のことは大事だよ、大好き……だもの。でもね、友人の事だってとても大事なの。優姫も、零も、理事長だって。わかってくれていると思ったのに……違うのかな。結局枢にとって、私が枢を以外を気に掛けること自体許せないことなのかな。


 思い切って、口を開いた。

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