第2章 sleep
「眩しい……朝、なんだ」
時計を確認すればいつもと違って、時間に余裕がある。よし、今日は気分を変えて私が優姫を起こしに行こうかな。そうと決まればすぐに準備をしなくちゃ。
優姫はどんな顔をするかな? そう考えるとなんだか楽しくなってきた。足取り軽く優姫の部屋の前までやってきた。あ、よく考えたら優姫は私と違って相部屋なんだっけ……突然入ったら、迷惑かな。
と、悩んでいる途端に扉が開いた。
「うわっ……」
「え!? 珠紀? ど、どうしたの? こんなに早くに起きてるなんて……まさか熱でもある!?」
「失礼だよ、優姫」
「だって……!」
私だってこうして早起きする時だってあるもん。あ、あるんだから……たぶん。
「もう、優姫の意地悪」
「うっ……ごめん! 単純に驚いただけなの! ごめんね? 起こしに来てくれてありがとう。零に自慢しちゃおうよ! いっつも珠紀はお寝坊だって一番思ってるはずだからさ」
「それもそうだね……」
今日の楽しみがまた一つ増えた。
優姫と並んで校舎へ向かう。その途中に、ふと優姫が思い出したように言った。
「そういえばさ、近々フラワーギフトデイだよね。珠紀は誰に花を贈るの?」
「……特に、考えてない」
「そうなの? 珠紀が誰に渡すのか凄く気になってたんだけどなぁ」
「そういう優姫は玖蘭さんに渡すんでしょ?」
「え!? べ、別にそんなことは……」
物凄く目が泳いでる。優姫はわかりやすくて可愛い……。