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Bloody Signal

第14章 birdcage 枢√



「さあ、部屋に戻ろう。僕も一緒に戻る、明日からは一緒の学び舎だね」

「夜間部になっただなんて……今でも信じられません」

「信じる必要はない。これは夢ではない、そう思えるだけでいいのだから」


 風が吹く、月を見上げてみる。

 金色の淡い光は、真実を映し出すように輝いては、私達を照らし続けた。









 次の朝、私は夜間部の寮へと引っ越しを開始した。


「珠紀……」


 優姫が何か言いたげで手伝いに来た。前の部屋の片付けをしていた中、既に思い出の品は全て消え去っていた。私がこの部屋で過ごした時間は全て、新しい部屋へと移っていくんだ。


「優姫、わざわざ手伝いに来てくれたの?」

「そりゃ親友の御引越ですからね。というか……私全然知らなかった、珠紀の事。ずっと……一緒にいたはずなのにね」

「それは私の方だよ。いつも一緒にいたのに、優姫に何も返せてないままで」

「また……会えるよねっ!?」

「同じ場所にいるんだから、会えるよ。違ってしまっても、また遊ぼうね」

「うん……っ」


「珠紀、優姫。そっちの片付けは終わったかい?」


 ひょっこりと枢が顔を覗かせる。優姫は酷く慌てた様子で返事をしていた。


「はっはい!! 問題ありません!」

「優姫、一足先に夜間部の寮まで行って残りの作業の手伝いをしてあげてくれないかな? 藍堂達だけに任せるのは少し心配で」

「了解しました! 任せて下さいねっ」


 笑顔で手を振りながら、優姫は部屋を出ていく。

 自然と私と枢だけになったわけなんだけど。な、何か……会話した方がいいのかな?

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