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Bloody Signal

第13章 appeal 枢√



「あからさまに反応されると、少し傷付くね」

「ご、ごめんなさい……」

「別に怒っているわけじゃないんだよ? 僕は遅れてしまったけど、教室に顔を出さなくてはいけない。君はどうする? もう少しここにいてもいいんだよ」

「……もう少し、居させてもらいます」

「ゆっくりと自分のこれからを考えた方がいい」


 枢はそのまま別の部屋で制服に着替え、そのまま部屋を出ていってしまった。窓辺に近寄ると、淡く月が光っている。太陽よりも穏やかに。月光浴っていうのかな? 月の光を浴びながら、瞳を閉じる。

 脈打つ心臓も、それにより循環する血液も、何も違っていないようでやっぱり何か違ったように感じる。掌を眺めて、開いたり閉じたりを繰り返す。それでもやっぱり私であることに変わりはないようで……何が違うのかな?


 窓を開けてみれば、冷たい風が吹き込む。部屋のカーテンを揺らして、新鮮な空気が入る。ん? ふと下の方を眺めていると一人の女の子が歩いているのが見えた。誰だろう? 白い制服だから、夜間部の子なんだろうけど。

 あ、こっち向いた。


「ねぇ、ちょっとそこの人。降りてきて私のこと、案内してくれない?」

「……え? あ、でっでも……」

「駄目なの?」

「少し待ってて下さい!」


 慌てて枢の部屋を出て、先程の女の子がいた場所へと急ぐ。誰なんだろう? 今までに見たことあったかな……でもよく私が覗いてるの、気付いたなぁ。


 降りてみれば、やはりそこには先程の女の子が待ってくれていた。

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