• テキストサイズ

新しい世界

第10章 嫉妬


真司の部屋に行った私は、鈴木くんのことを話す。

「私は作文とか苦手だから、藍田くんを誘えばって言ったんだけど、
藍田は話しかけにくいから、君から聞いてみてくれないか、だって」

「同じクラスの僕じゃなくて、違うクラスのみなみから誘うなんて…彼、何か君に別の感情があるんじゃないかい?
だいたい僕と付き合っているって気付いたなら、生徒手帳だって僕に渡せばよかったんだ」

真司が不機嫌そうにつぶやく。

「ヤキモチやいてるの?」

私は彼の顔をのぞき込む。

「そうだよ。悪い?」

彼が唇をとがらせる。

「かわいい!」

私は彼にぎゅっと抱きつく。

「じゃあさー、明日学校に行ったら鈴木くんに、俺の女に気やすく話しかけるんじゃねー、って言うといいよ」

「そんなこと言わない」

彼が吐き捨てる。冗談通じないなぁ。

「ていうかさ、真司、文芸部入れば?」

「は?」

「どうせ小説書いてるんなら部活でやればいいんじゃないの? 友達出来るかもよ? わたし入ろうかな…」

「みなみは小説なんて書かないだろ…? というより国語自体苦手だろ?」

「んー…真司に教えてもらって、だいぶ出来るようになったし…
鈴木くんて面白そうな人だよ。あの人が部長ならきっと面白い部活…」

「僕はそんなことのために勉強を教えたんじゃない!」

彼が私の言葉をさえぎって声を荒らげる。

私はちょっとぼうぜんとする。

この話、そんなに嫌だったの?

/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp