第14章 始まる
「風邪ひいてるんだろ? ちゃんと寝てないと」
真司がそう言いながら、私をベッドに押し倒す。
「ひいてないよ」
「悪いなぁ…」
私たちは笑う。そしてキスをする。
唇を離した彼が、じっと私の顔を見つめる。
「ねぇ、みなみ…。僕の子供を生んでくれる?」
「えぇ!?」
私は超びっくりする。
「え? あ…駄目?」
びっくりした私に、彼はびっくりしてる。
「い、今?」
私は聞き返す。
「い、今じゃないよ! 大人になってから。プロポーズのつもりだったんだけど…」
「わかりにくいよ!」
「そっか…。かなり直接的に言ったつもりなんだけど…」
「直接的すぎ!」
「難しいな…」
彼が首をひねる。
ふー…なんか、顔熱くなっちゃった…。
「真司の子供を生んだら…わたし、お母さんだね」
平静を装いつつ、私は彼の顔を見上げる。
「お母さん…」
「わたし、お母さんになりたいな」
私は彼の背中をぎゅってする。
「うん…。お母さんにしてあげる…」
彼は私の胸に顔をうずめながら、私のショーパンを脱がせにかかる。
「い、今じゃないよね?」
思わず私はもう一度確認する。
「大丈夫。ちゃんと持ってきた」
彼は自分のジーンズのポケットからコンドームを出して、枕元に置く。
「そんなところにしまってあったの?」
「ふふ…」
再び彼は、私の唇にキスする。
今度は舌を入れて。
…
夏休みはまだ始まったばかり
fin