第2章 毎日
一日の授業が終わる。
私はさっさと帰る準備をする。
部活もやってないし。
一応、彼のクラスをのぞいて帰る。
人はまばら。
最近はだいたい彼のクラスのほうが、ホームルームが終わるのは早い。
真司の姿はもうないみたい。
私はひとりで帰路につく。
…
ひとりの帰り道。
心も身体も軽い。
ひとりで歩くのは大好き。
のんびりとマイペースに歩く。
でも、彼に早く会いたくて、少し早足になってたりもする。
駅のホームで制服のポケットからスマホを取り出す。
真司からのメッセをチェックする。
『着いた。ホームで』
ハートマークでも付けてくれたらいいのに。
業務連絡みたいなメッセを見てにやける。
もうすぐ、彼と二人の時間。
そう思うと、私の身体はあたたかくなる。
…
私は自分の駅のひとつ手前、真司の家の最寄り駅で電車を降りる。
彼がいつものベンチに座って、本を読んでる。
「お待たせ」
私はそっと、彼に声をかける。
彼は私の顔を見上げて、本を閉じる。
「行こうか」
彼は立ち上がり、にっこり笑って私の手を握る。
そして、私たちは彼の部屋へ向かう。