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新しい世界

第2章 毎日


一日の授業が終わる。

私はさっさと帰る準備をする。

部活もやってないし。

一応、彼のクラスをのぞいて帰る。

人はまばら。

最近はだいたい彼のクラスのほうが、ホームルームが終わるのは早い。

真司の姿はもうないみたい。

私はひとりで帰路につく。



ひとりの帰り道。

心も身体も軽い。

ひとりで歩くのは大好き。

のんびりとマイペースに歩く。

でも、彼に早く会いたくて、少し早足になってたりもする。

駅のホームで制服のポケットからスマホを取り出す。

真司からのメッセをチェックする。

『着いた。ホームで』

ハートマークでも付けてくれたらいいのに。

業務連絡みたいなメッセを見てにやける。

もうすぐ、彼と二人の時間。

そう思うと、私の身体はあたたかくなる。



私は自分の駅のひとつ手前、真司の家の最寄り駅で電車を降りる。

彼がいつものベンチに座って、本を読んでる。

「お待たせ」

私はそっと、彼に声をかける。

彼は私の顔を見上げて、本を閉じる。

「行こうか」

彼は立ち上がり、にっこり笑って私の手を握る。

そして、私たちは彼の部屋へ向かう。



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