第2章 赤い次男の場合 「ネクタイ」
何もかも全てが繋がったら
私の中の糸がプチっと音をたてて切れた。
「…な、んでよ、
私、スッピンのパジャマじゃん…」
「あ、ほんとね、
自分のことしか考えてなかった」
はは、と笑う彼。
まだ返事も聞いてないのに
なんだか顔はスッキリしている。
「……せっかく、いい感じなのにっ…
可愛くない…!」
「なぁに言ってんの、
はいつでも可愛いっつーの」
こんな顔見ても可愛いと言う
心の広い優しい彼、ではなくて。
たぶん私をからかっているその表情。
「…ば、ばかじゃないの」
そんな彼に
つい思ってもみないことを言ってしまう
私の顔はきっとニヤケているに違いない。