第2章 朝食編〜玉森サイド
大人数で生活するこのシェアハウスで二人きりになれる時間は少ない。
今日はマイコと同じ講義が休み。
なんとなく昨日の夜からソワソワしてしまった。
朝起きてダイニングキッチンに行くと、そこにはまだ宮っちの姿があった。
「あ、玉おはよ〜」
ちっ、早くガッコ行けよ。
と思いつつも他の席も空いてはいるのに、何故かいつもの癖で宮っちの隣に座る。
「ふふふふふふっ。」
宮っちが何か言いたそうにニヤニヤしている。
なんとなくそれが気に入らなくて、椅子に体育座りした状態でバッタンバッタン傾けていたら、バランスを崩して派手に倒れてしまった。
バタン!
くっそ!なんかムカツク!
勢い良く起き上がり、おもむろに宮っちの首をぐいっと曲げてやった。変な方向に。
「ちょっ!倒れて恥ずかしいからって俺にあたるな!」
「恥ずかしくない!むかつくんだよ!」
「もー、そんなところも可愛いぞぉ」
「るせぇ!はやく学校行けよぉ〜」
「む、そうだな、そろそろ行かないと」
そう言って食べ終わった食器を流しまで持っていく。
昔は平気で置きっぱなしだったのに、マイコが来て変わったよなぁ、みんな。てか俺もだけど。
会社みたいに置いてある、全員の在宅状況が分かるホワイトボードに「学校」と言うマグネットを付けて、その横に「某声優LIVEの為、22時帰宅」と書き込んでいく。
「それ、マイコも行くの?」
「いや、マイコはこの声優さんそんなに好きじゃないから、マイコが好きなのは…」
「あー、言われても分かんないから大丈夫!」
そう、マイコもヲタクなのである。
宮っちとマイコは何か呪文のような言葉で良くアニメや漫画の話しをしている。
他の兄弟とも何かしら接点を持つマイコだけど、ヲタ話の時は一段と良くしゃべっている気がする。