第6章 バイト
ピーンポーン。
外のエレベーターを誰かが降りると来客を知らせるようセンサーが付いている。
先回りして引き戸を開けると、そこにはダメージジーンズにライダースジャケットを合わせた褐色肌の青年が立っていた。
「たい兄!いらっしゃい。」
「おう。マイコ、今日の寝癖、可愛かったぜ」
「うぅ、、、それは触れないで。。。。」
シェアハウス三男の太輔とそんなやり取りをしていると、後ろから綺麗な顔立ちをしたいい匂いのする女性が身を乗り出してきた。
「え!なになに、寝癖って!この子、ガヤくんの彼女!?」
「そ、こいつ俺等シェアハウスの恋人でーす。」
そう言いながら、女性からのボディタッチを軽くかわし、マイコの背後に廻り肩に手をまわす。
「えー!なにそれー!」
「ふふふふふッ」
「…あ、あの、、、たい兄ぃ…」
またコレだ。たい兄ちゃんのいつものノリにどうしたものかと戸惑っているとまた来客を知らせるチャイムと友に木村さんが現れた。
「ふーん、お前そうやってモデルちゃん達ケムに撒いてんだな。生意気ー」
「げ、木村さん…は、早くないっすか?」
「あ!木村さん、いらっしゃいませー」
「よ、久しぶり。」
誰が見ても惚れ惚れする整った顔立ち。んー、今日もカッコいい♪
木村さんは数多くの人気ブランドを有するアパレル会社の社長。
たい兄はそのうちの一つである、デザイナーズブランドで見習いとして勤めている。
今日はどうやら、モデルさん達も交えた会食のようだ。
「個室お客様お揃いでぇーす」
他のメンツも揃ったところで調理場に声をかけると、奥でジャイアンツ戦に見入っていた中居さんが怠そうに立ち上がる。
「じゃ、最初くらいは顔だしとくかねー」
中居さんと木村さんは旧知のなかで、どういった繋がりなのかまでは把握してないけどシェアハウスのみんなは昔からとても
お世話になっているらしい。
あ、そういえばミツ兄のところにいた香取チーフもそのうちの一人だって言ってたな。
「ぅおっほん!オーダー!季節の野菜を使った彩りコース!」