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第一話 シェアハウスの恋人

第4章 お届けもの②


リングの上で、相対する二人。
玉は全身を軽く上下に揺らしながら、リズムを刻むように動かして行く。
上体の前で、構える。
ミットを付けたミツ兄が「じゃ、1Rってことで3分な」と言ったのを汐に右手を上にあげる。
左、右、ワンツー。
ミツ兄が出す指示に合わせて、フットワークを使いリング上を縦横無尽に移動しながらミットを打ち込んでいく。
「軽いな!ほら、もっと踏み込め!右だ右!」
「もっと距離詰めて来い!腰いれて!」

コツが掴めてきたのか、大振りだったストロークも体重移動を上手に使い、初めにくらべて重い音が響くようになってきた。
正しく体が使える様になってくると、今度は体力の消耗が一段とはげしくなる。
半分を越えたあたりから、玉の全身に汗が吹き出してきた。
「シュッ!ー…シュッ!っく、、はぁ、はぁ…ーシュッ!」
気がつけば髪も汗で濡れ、透き通るような白さの輪郭を水滴がなぞってはこぼれていく。
全身の筋肉細胞に負荷がかかり筋繊維の破壊されていく感覚を、リングの外からマイコは皮膚で感じていた。
疲労で顔を苦痛で歪めながらも、目の前で出されるミットを懸命に捉える姿がどことなく禁忌的で不思議と顔が高揚していた。

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