第2章 練習試合をします。
あの後で携帯に無理矢理登録されたメルアドとナンパの延長戦に思わず最終兵器を取り出す。
さぁ、出番だ影山君‼
近付いた及川さんの耳元に音量最大で…ボケェ‼
「うわ⁈何その声…飛雄ちゃん、でかすぎ…!」
効果は抜群だ!更に追撃のシャッターチャンス‼
ピロリーン
「いい表情ですね、及川さん。それでは」
「いや、待とうか遊衣ちゃん⁈今の撮影した写真は…」
「あ、いけない。うっかり今撮ったばかりの珍しい及川さんの写真をLA○Nに出しちゃう所でしたよ?…それで、私に何か用事ですか?」
視線は及川さんに合わせずに携帯を持って笑うと嘘泣きで酷い!先輩なのにと喚かれた。
「どうせ貴方の事だから嫌味全開で影山君達を挑発するんだろうなって考えたので…そうなる前に弱みを握っちゃいました。反省?」
「疑問系だし!そんな恐ろしい子に育てた覚えはないよ⁈」
こんな面倒くさい人お世話しません。
「及川さんがそれを使うとは…鏡を見てますか?」
「イケメンしか映らない!」
「…」
「ちょ、無言で距離を開けないで⁉」
「月夜ばかりじゃないんですよ?」
「怖い宣言された⁈」
遊衣ちゃーんと追いかける及川さんに付き合いきれずに茂みに隠れてから及川さんが通り過ぎるのを待つ。はぁ、とため息をついて茂みから出ると後ろから篠田か?と聞き覚えのある声に帰る足が止まる。岩泉先輩だ…怖い幼馴染みが連れ戻しに来たなら及川さんも強制退場するだろう。
「岩泉先輩お疲れ様でした。及川さんならこの先の校門で皆と楽しい話し合いですよ?」
「嘘つくな、クソ川は影山を弄り倒したいだけだ。…先輩が後輩いびりしてどうするべ」
「いいえ助かりました。彼等には目の前に明確な敵が存在している方が練習にも打ち込み易い」
「…容赦ねぇな。味方だろ?」
「この程度で倒れる程臆病な鳥なら、期待しません」
「…なら、馬鹿の回収ついでにお前の目に止まったバレー部を見学させて貰うとするか」
「はい、期待して下さいね」
「ねぇ、2人の世界を作らないで及川さんも入〜れて!」
いつの間にか帰っていた及川さんを冷たく見る私と岩泉先輩。…本当に良い空気を敢えて読まない先輩だよ。
「…うわぁ。」
「…及川、練習2倍な。」
「理不尽⁈」
岩泉先輩に教育的指導される及川さんの叫びをBGMに私はバスに向かって歩いた。
