第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
俺の誕生日から2日後、学校の廊下ですれ違う俺たちは何処か余所余所しいというか、変に意識して目を合わせられないというか。
いくら未遂とはいえお互いの裸を見てる訳だし、めちゃくちゃ恥ずかしい訳で。
でも、何だか悪い気はしないこの感じ。
恥ずかしいんだけど、やっぱり会えて嬉しいみたいな。
「フーリッ!何ニヤニヤしてんだよ!」
「どうせ、さっき相原に会ったからだろー」
「う、うっせー…っ」
同じクラスの河原と福田にからかわれながら、次の授業が体育のため校舎の外へと出る。
「で、結局お前らはどこまで進んだの?」
「大人の階段登ったの?」
茶化してくる2人に放っといてくれと言わんばかりに1人走ってグランドへ向かった。
「ハァ… ハァ……ッ」
別に良いんだ、焦らなくても。
俺たちは俺たちのペースでゆっくり進んでいけば良い。
俺はいくらでも待てる。
慎重過ぎだろって言われてもかまわない。
だって俺はビビリだから。
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