第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
心臓がバクバクと脈打つ。
初めて試合に出たときみたいに緊張してる。
「いくよ…」
「んんっ…、う…っ」
下半身を真由美の秘部にあてがい、奥へ進もうとしても思ったよりもなかなか先へ進まない。
(狭ぇ……っ)
「真由美……っ」
「光樹ぃ……っ!ごめん、痛い…っ!!」
「っ!!悪いっ!」
俺はすぐさま彼女のナカから下半身を引き抜いた。
真由美の瞳からは痛みからか涙が流れていて、俺はそこでやっと彼女が無理して大丈夫なフリをしていたことに気付いた。
「光樹、やめないで…?私まだ頑張れるよ…?」
「無理すんなって…、真由美すげぇ辛そうな顔してる」
「っ…!」
「本当は無理してたんだろ…?」
「っ……ごめん、本当は…すっごく痛くて」
「うん」
「これ以上は無理、って……」
「うん…、ごめんな俺も、気付いてやれなくて……。今日はもうやめとこう?」
「でも、それじゃあ光樹が……っ!!」
「俺は大丈夫。それに、俺は真由美とこうやって前に進めただけですげぇ嬉しいから。ありがとな」
「光樹ぃ…っ!」
泣き出してしまった真由美を優しく抱き締める。
今回は最後までできなかったけど、充分俺は幸せだ。
こうやって抱き締め合うだけで、真由美の温もりを感じられるんだから。