第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
「あのさ、真由美……俺、この先に進んでみたいんだけど… ダメ、かな……?」
「えっ…?」
「俺、真由美のことすげぇ好き。何より大事にしたい。そう思ってる」
俺を見つめる彼女の瞳が揺れる。
「もう、言葉じゃ伝えられないぐらい好きなんだ」
「っ……!」
「けど、真由美が嫌ならしない。真由美の嫌がることはしたくないし、きっと初めてって怖いだろうから……。真由美が良いと思うまで、俺は待つよ」
俺がそう言うと、真由美は俯かせていた顔を上げた。
その表情はどこか覚悟を決めたような顔をしている。
「嫌、じゃない…!光樹となら怖くない、よ」
「っ…、本当に?無理、してない?」
「うん…!それに、私も… 先に進みたいって思ってた、から……」
「そっか…、すげぇ嬉しいよ、俺」
彼女も俺と同じことを思ってくれていたことがすげぇ嬉しい。
お互い見つめ合いながらフフッと笑った。
「俺も初めてだから、上手くできないと思うけど……、優しくする、から。痛かったり嫌だったら言って?」
「うん、分かった…」
もう一度キスをして、ゆっくりと彼女をベッドへ押し倒す。
これから俺たちは、一歩先へ進むんだ……。