第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
オムライスを食った後は、彼女の部屋のベッドに2人並んで腰掛けながらまったり過ごしていた。
お互いの部活のことや学校生活、会えない日は何をしているのかとか、そんな他愛もない話。
「あ、あとコレ!プレゼント」
「うわ、マジで?!開けて良い?」
「どうぞ♪」
机に置いてあった、綺麗な袋は俺へのプレゼントだったらしい。
自分の好物を作ってくれたってだけで俺にとって充分なプレゼントだったのに、彼女はまだ何か用意してくれていたのかと感激した。
誕生日用なのか少し派手な袋を開けると、中から出て来たのは黒ベースに赤い模様が刺繍されたリストバンド。
「何にしようか迷ったんだけど…、直感でコレがビビビっときたんだよね!黒と赤って誠凛カラーでしょ?」
「うん!ありがとな!試合のとき、絶対着ける」
試しに着けてみてと言われたので着けてみると、俺にしては派手な感じ。
「に、似合う?」
「うん、思った通り!良く似合ってるよ!日本1のチームの選手なんだから、コレぐらい派手でなくっちゃ!ね?」
「…ふふっ、だよな。サンキュ」
俺の腕を掴み、色んな角度からリストバンドを見て「やっぱりコレにして良かったぁ〜」と呟く真由美。
俺はそんな彼女を目を細めながら見つめていた。
(あぁ…、俺、真由美のことすげぇ好きだ……)