第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
「で、どーなんだよ!フリ!」
火神を筆頭に、河原も福田も興味津々といった感じで俺の方を見てくる。
黒子は相変わらず無表情だけど。
「えっと…… その…、キ、キ、キスはした!」
「「うんうん!」」
「でも、その先はまだしてない……っ!!」
そう言うと、何故か一斉に溜息を吐く皆。
「だよな〜。フリだもんな〜」
「なっ!それどーゆー意味だよ、河原!」
「だって、お前ビビリじゃん!できねーよなぁ」
少し哀れみを含んだ河原の視線。
ビビリだってのは自覚してるけど、何かムカつく。
「でも、付き合って大分経つんだろ?何でシねーの?」
「……簡単に言うなよ、火神〜」
火神に至っては純粋な質問のようで、逆にそれが俺の胸をズキズキと痛める。
「火神君、本当にあなたって人は…。それこそ2人の問題です。僕達がとやかく言う必要はありません」
「まぁ、そーだけどよー。フリはシてぇとか思わねぇの?」
「そ、そりゃしてぇけど、でも何か怖ぇじゃん…。そ、その俺もシたことねぇし…!!」
「女って初めてのとき痛ェとか言うもんなー」
肉まんをハフハフと頬張りながら言う火神。