第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
(懐かしいな……)
まだ1年も経ってないんだけど、告白したときのことを思い出すと懐かしさが込み上げてくる。
それと同時に自然と頬が緩んでしまうので、隣で着替えている福田に「何ニヤニヤしてんだよ」と怪訝な目で見られてしまった。
「どうせ彼女のこと考えてたんだろー?」
「ち、ちげーよ!」
「はいはい、フリは分かりやすいからな〜」
河原と福田にからかわれながら着替えを済ませ、先に出て行った3年を追うように俺たち2年も部室を後にした。
帰り道、2年の皆で肉まん買って帰ろうということになり火神や黒子も一緒にコンビニへ向かった。
「なぁ!フリ!お前彼女とはどこまで進んでんの?」
「ブッ!!!」
火神の思いがけない質問に、コンビニの外で食べていた肉まんを噴き出しそうになったのをすんでのところで堪えた。
「火神君、君は相変わらずデリカシーが無いですね。そういうことは本人達の中で大切にしまっておくものですよ」
「んだよ、黒子。じゃあ、お前は気にならねーのかよ!」
「……まぁ、気にならないと言えば嘘になりますが」
(黒子まで……)
俺はこの2人がこういう話に興味があることに多少驚いていた。
良い意味でも悪い意味でもバスケ馬鹿の2人だから。
でも、俺達も健全な高2男子だもんな。
興味あって当たり前か。