第8章 誕生日 11/8ver.《降旗光樹》
『1-D 降旗光樹‼︎ 好きな子が俺が何かで1番になったら付き合ってくれても良いって言ってる‼︎‼︎ だから俺はバスケで1番になろうと思う‼︎‼︎』
そう屋上で宣言して、毎日毎日監督のキッツイ練習をこなして、少しでもバスケが上手くなるように、チームの力になれるように努力した。
心が折れそうなときもあった。
河原がバスケ部を辞めたいと本音を漏らしたとき、俺も何度も辞めようと思ったって本音を言った。
だって、同じ1年の火神はキセキの世代と渡り合えるぐらいバスケセンスに恵まれていて、入部してそっこー誠凛のエースになって。
俺には絶対できっこないプレーを簡単にしてみせる火神に、時には嫉妬したりもしたけど、それでもやっぱり火神はスゲェ奴で。
俺みたいな凡人とは違うって思い知らされた。
だけど、そんなとき黒子を見ると自分も頑張ろうって思えたんだ。
黒子もやっぱすげぇ奴なんだけど、たぶん俺よりもフィジカルは恵まれてなくて。
でも自分だけのプレースタイルを見付けてチームの力になっている黒子を見ると、俺にも自分だけの何かがあるんじゃないかって思えた。
だから、諦めずに頑張れた。
それに、バスケを辞めたら絶対後悔するって思ったから。